ラブソングは舞台の上で
「ん……」
晴海から力が加わって、私は後ろに倒れる形で再び枕に頭を置いた。
一呼吸置いて、もう一度キスをする。
このキスに私の意思が伴っていることがわかった晴海は、舌を差し、再び私の反応を窺う。
少し応えると、それじゃあ遠慮なくといったふうに激しさを増す。
晴海特有の香り、生肌の感触、酒気を帯びた吐息、二人の身体がシーツに擦れる音。
そして私の名を呼ぶ、晴海の掠れた声。
何もかもが私を女にしていく。
互いを探り合う初々しい攻防に、どんどん鼓動が強くなる。
私、きっとこのまま晴海とするんだ。
そう認識しただけで、胸の奥から感情が溢れて止まらななくなる。
「晴海っ……」
胸が張り詰めて息苦しい。
早く満たされて楽になりたい。
私は自分が思っていたよりずっと、晴海に恋い焦がれていたようだ。
ちゅ……と小気味よい音を立て、晴海の唇が私から離れる。
晴海が数秒間、目を閉じて苦しそうな顔をしたかと思ったら、直後、私の視界が何かに奪われた。
掛け布団だ。
「ほらみろ、だから飲むなって言ったんだ」
ミシッと横で音がして、体が軽くなる。
晴海はベッドを降りてしまった。