ラブソングは舞台の上で




翌朝、目を覚ますと目の前で晴海が眠っていた。

そういえば、晴海の寝顔を見るのは初めてだ。

彼のベッドで眠った時は、私が見られてばかりだった。

眉が上がっていて口は半開き。

子供のような寝息を立てている。

「かわいい……」

マスクの中で呟くと、私の声に晴海が寝ぼけ声で反応する。

どうやら反応しただけで、まだ深く眠っているようだ。

彼を起こさないようそっと起き上がる。

頭が重い……が、昨日よりマシといったところか。

寝ている間にかなり汗をかいている。

ベタベタするし、堪えられない。

シャワーを浴びたいところだが、さすがにそれは自殺行為。

しかしせめて着替えて体を拭かなければ、体が冷えてしまう。

私は静かにベッドを降りて、着替えと汗拭きシートを手に取り、浴室前の脱衣所へ入った。

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