ラブソングは舞台の上で

「あ、私もチョコ買ってきました。みなさんでどうぞ」

ともちゃんが持ってきたカゴに、私の買ってきたチョコも入れてもらう。

カゴの中は、今日来ているメンバーだけでは食べきれないくらいの量になっている。

今後数日にわたって消費されていくのだろう。

「今日チョコばっかり食ってるなー。いい加減飽きてきた」

タカさんがもぐもぐしながらボヤく。

「とか言って、タカさんまたひとつ開封してるじゃん」

恵里佳ちゃんが鋭くつっこむが、タカさんが開封しているのはひとつではなく、ふたつであるのが私には見えている。

「うるせー。これウマいんだよなー」

「タカさん、厳ついナリして甘いもん好きっすよね」

晴海もチョコを頬張る。

私のケーキがあるから、その確実に美味しいチョコに舌を慣らさないでほしい。

「おう、好き好き。俺オトメだからさ」

それを聞いて、堤くんが吹き出した。

「……キモッ」

「テメー堤!」

楽しいなぁ、劇団エボリューション。

ともちゃんのチョコを、私もひとついただいた。

甘くてコクのある、幸せの味。

このカロリーで、今日の稽古も頑張れそうだ。

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