ラブソングは舞台の上で
「お騒がせしてすみませんでした」
二人で劇団のみんなに頭を下げる。
昨日晴海が散々怒られてくれたから、笑って許してくれた。
「明日香ちゃーん! よかったぁ!」
ともちゃんが抱きついてくる。
「ありがとう。ごめんね心配かけて」
「もう晴海ちゃんの言うことなんて無視していいからね」
ともちゃんがチョコを捨てずに晴海へ渡してくれたから、仲直りもできたし劇団にも戻ることができた。
感謝のしるしに、今度何か可愛いものでもプレゼントしよう。
「で、どうやって仲直りしたんだよ?」
タカさんはいやらしい笑みを浮かべて晴海をイジり始めている。
「普通に謝りに行っただけです」
「ふーん、どんな感じで謝ったのかなー」
「もう覚えてないっすよ!」
晴海にビンタをお見舞いした恵里佳ちゃんは、大学入試のため東京へ行ってしまったそうで、今日は欠席。
既に推薦入試で県内の大学へ進学することが決まっている堤くんが寂しそうにしている。
彼は私と目が合うと、軽く会釈をして笑顔を見せてくれた。
それからすぐに携帯を操作していたから、きっと私の復帰は恵里佳ちゃんにも知らされているだろう。
「おーい、始めるぞー」
高田さんがやって来た。
高田さんは私がいるのを確認すると、「ふん」と軽く笑って集合をかける。
「無事にアンジェラが帰ってきたところで、今日はお前らお騒がせ組は罰ゲームだ」
「罰ゲーム?」