ラブソングは舞台の上で
高校を卒業して、就職して、仕事にも慣れて、やってみたかったことはだいたいやり尽くしてきた。
知識や経験値が増えるごとに一日一日が短くなっていったし、好奇心が満たされるごとに興味が持てるものが減ってきて、生活が色あせていたように、今なら思える。
私はきっと「つまらない大人」だった。
そんな私を案じた詩帆さんが私を連れ出し、晴海と出会い、劇団に引きずり込まれ。
見たこともなかったミュージカルというものに触れ。
右も左もわからず困惑して、努力して、支えられながら乗り越えて、燃えるような恋をして。
一時は絶望の淵に立たされることもあったけれど、今、ひと回りもふた回りも成長した自分がいる。
毎日が充実しているし、明日が、明後日が、来週が、来月が楽しみで、毎日が光り輝いている。
きっかけは自発的なものではなかったけれど、勇気を出してよかった。
まだまだ自信は持てないし、不安もあるけれど、それらを克服することでもっと大きな喜びを得られる楽しみだってあるのだ。
この3ヶ月はきっと、私にとって一生記憶に残る、素晴らしい3ヶ月になる。