ラブソングは舞台の上で

「お、やっと主役の二人が来たか」

タカさんはすでに王の衣装を身に纏っていた。

身長180センチを越える彼が立派な王冠をかぶっていて、更に大きくなっている。

思わず頭を下げたくなる程の威厳を感じた。

「タカさん、すごい! 王様に見えますね!」

「だろ? ガウンの中は通販の安いコスプレ衣装だけどな」

この間フィルムを貼り付けていた杖も、上部に小さな王冠のような飾りが被せてあり、宝石を模したビジューでゴージャスさを増している。

奥にはデコルテとくびれを強調したラインがセクシーな恵里佳女王様と、彼女に大きなネックレスをつけてあげている執事の堤くんがいた。

堤くんの執事姿は、もうとにかくカッコイイ。

恵里佳ちゃんに尽くしている姿が本当に様になっている。

王子役の晴海を差し置いて女の子の人気をガッツリ掴むだろう。

「明日香ちゃんも早く着てみてよ!」

メイド役のともちゃんは、ロングスカートに白いフリフリのエプロン、そして自作のヘッドキャップを装着している。

すごく可愛い。

オシャレなティーポットがよく似合う。

最近テレビなどでよく見る、バスト部分を強調したヒラヒラミニスカートのメイド服なんかより、ずっといい。

男性人気はともちゃんに決定だ。

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