ラブソングは舞台の上で
「アンジェラ。朝だよ。さあ、起きよう」
耳元で妙にセリフじみた声が聞こえて、私は意識を取り戻した。
この感触、におい、覚えがある。
ゆっくり目を開けると、いつか見た壁の模様が。
背中が妙に温かい。
ま、まさか……。
恐る恐る後ろを振り向く。
「おはようアンジェラ。今日も素敵な顔をしているね。とりあえずメイクを落としたら?」
晴海が同じベッドで笑っていた。
「うそ……」
またやってしまったのか、私。
あれから一週間も経っていないのに。
自分が情けなくて言葉にならない。
ひとまず晴海も私も服を着ていることに安心する。
間違いは起こっていないようだ。
「今何時?」
「6時」
よかった。
会社には間に合いそう。
きっとまた頭が爆発しているから、シャワーはここで浴びることにする。
しかし、さすがに着替えとなると、ここにはない。