ラブソングは舞台の上で

「はあぁぁぁ……」

みんながため息をつきながら、次々と床に座り出す。

私、そんなにマズかった……?

責められるのを覚悟すると。

「あームカつく! あの白髪オヤジ。いつもいつもエラそうに」

……え? タカさん?

「本当よ! あんなの、明日香ちゃんの教育を晴海ちゃんに押し付けただけじゃないっ!」

え? え? ともちゃんまで?

「あたしもそう思うー。あれ、今日は最初からまともにうちらの練習する気なんてなかったのよ、絶対」

当然の流れで恵里佳ちゃんも。

「俺は最初からこうなると思ってましたけどね」

普段は大人しくしてる堤くんまで。

なんだか高田さん、えらい言われようだ。

一応この劇団の主宰なのに。

「まあまあ。あの人がエラそうなのはいつものことじゃん?」

と、晴海がやんわりなだめる。

自分が主役をやらせてもらい、かつヒロインを自分の都合で決めさせてもらった手前、あまり悪く言えないのかもしれない。

みんなはひとしきり悪口で盛り上がった後、スッキリした顔でそれぞれの帰路についた。

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