俺様社長の言いなりです
「いえ。何でもありません」


いくら理解力が乏しい私でも、自分に逃げ道などないことなど容易に分かった。


フーッと軽く息を吐きペンを取ると、静かに婚姻届にサインする。


そんな私を見て、どこか安心したような顔の父。


果たしてこの男と結婚生活なんてできるんだろうか。


だいたい今お見合いしていきなり結婚だなんて話がぶっ飛びすぎてる。


いくらなんでもこんな結婚は予期してなかった。


‘‘芹沢 翔”という男を理解できるのか、正直不安で仕方ない。
< 13 / 131 >

この作品をシェア

pagetop