俺様社長の言いなりです
「社長がどうかされましたか?」


何を言われるのかドキドキする胸を抑える。


「翔ちゃん……心配してたでしょ?」


一瞬なんのことかわからなかったけれど、すぐに、さっき家を出てアパートへ向かおうとしたことだと気がついた。


「全然です。心配するどころか怒ってましたよ?安田さん、言ってること違うじゃないですか」


少し責めるような口調になってしまい、言った直後に反省したけれど気にする様子もなく


「翔ちゃん、何をやっても完璧なのにこういうところは不器用なんだよね。まあ、わかってあげて?」


電話越しからわたしを諭すような優しい声が聞こえた。
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