俺様社長の言いなりです

「って、宮田さん？ 」



ホテルで会った時と違いカジュアルな服装であるものの、目の前の彼は宮田さんだ。



「覚えていただき光栄です」



とクスリと笑いながら宮田さんは無理矢理私の手を握ると握手をしてきた。



しかし力が強いうえに、いつまでたっても手を離してくれない。



「あの……そろそろ手を離して頂いてもいいでしょうか？ 」



とさりげなく尋ねると、



「イヤだって言ったら？ 」



いたずらっ子のように口元をニヤリと歪ませた。



「それは……」



困ります、と言おうとしたら、その前に



「嫌がってんだから離してやれ」



社長が助け舟を出してくれた。