欠片になった彼と、彼女の記憶


「誘いを断らない時点で、男はいけるかもって期待するもんなんだよ」



「先輩には普段よくしてもらってるし嫌いじゃないから一緒に遊んだだけじゃん!」



優弥の口調も強く、自分も喧嘩腰になって返事を返す。



「お前は俺の気持ちがわかっててそういう事してるの?」



優弥がじりっと近付いてきたと思えば、私を包むように壁に両手をつく。



「…優弥の気持ちなんかわかんないよ

優弥こそ私の気持ち分かってないよ…

どいて!」



目の前にある優弥の胸板をトンと叩くと、そのまま腕を掴まれ引き寄せられた。



< 106 / 121 >

この作品をシェア

pagetop