欠片になった彼と、彼女の記憶



「とにかく帰る」



「わ…分かった!」



未だに私は下を向いたまま少し固い感じで言う。



「悪かったと思ってる

けど何でこんなことするかお前には分からないよな…?」



「…う…ん驚いた」



その言葉の返事をするのに、ようやく私は優弥を見上げることが出来た。



「嫉妬してんだよ

それくらい分かれ」



「え?!」



思いもよらない発言に驚いて目を広げる。



「じゃあな」



優弥はそれだけ言ってそそくさと部屋を出て帰ってしまった。



「嫉妬って…」



考えながら少し唇を抑える。


優弥にキスされること自体あまり嫌ではなかった。



~~~~~~~~

< 110 / 121 >

この作品をシェア

pagetop