欠片になった彼と、彼女の記憶
「夢乃ちゃ~ん起きてる~?」
そう呼ばれてハッとした。
「起きた!起きてる!」
お母さんが2階へと続く階段の下から夢乃に向かって呼んでいたのだ。
今はこんな事考えてても仕方ないか。
夏休みだし優弥に会う確率は大学より少ないし!
気まずいことはその時になったら考えよう!
私は気持ちを切り替えていとこの桃ちゃんを迎える準備を始めた。
しばらくしてから玄関のチャイムが鳴る。
「わっ桃ちゃんもう来たんだ!」
早めの来客に窓から玄関を見下ろすと、叔母さんと桃ちゃんが手を繋いで待っているのが見えた。
私は足早に玄関へ向かった。