欠片になった彼と、彼女の記憶


玄関まで下りると、叔母さんとお母さんが話していた。


その隣には目がクリクリしていて少しくせ毛の女の子、桃ちゃんが2人の話を不思議そうに聞いていた。


私は桃ちゃんに声をかける。



「桃ちゃんいらっしゃい!」



「あー!ゆめのちゃんだ~!!」



「久しぶりだね!元気にしてた?ここまで来るのに疲れたかな?」



駆けて来た桃ちゃんの頭を優しくなでる。



「疲れてないよ!

あのねもも、鉄棒ができるようになったの!!」



「そうなの?すごい~!見てみたいな~

あ、じゃあ公園でも行こっか!」



「うん!公園で遊ぶ~!」



桃ちゃんは嬉しそうに目をキラキラさせている。


お母さんに出掛けてくると言うとお昼過ぎには戻ってくるように言われた。

< 112 / 121 >

この作品をシェア

pagetop