欠片になった彼と、彼女の記憶
桃ちゃんは優弥に懐いてしまって、帰りが大変だったのを覚えている。
「でも今日は優弥どこにいるかわからないし…」
昨日の事があったばかりだ。
昨日の今日で会いたくないと思いつつ桃ちゃんを説得していると
「あれ…桃?」
背後から聞きなれた、今会いたくないと思っていた張本人の声が聞こえた。
「ゆーや!!」
「あ、ちょっと桃ちゃん!」
桃ちゃんは優弥を見ると一目散に駆けて行ってしまった。
「今から公園行くの!もも、鉄棒できるようになったんだよ!」
「お~すごいな!桃は頑張り屋さんだな!」
桃ちゃんと優弥が話しているのを遠目で見守る。