欠片になった彼と、彼女の記憶



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街につき、携帯を両手に持ちながら悩む。



「う~んこっちのデザインの方が可愛いけどこの携帯の方が画面大きいし見やすいかなぁ…」



機械にはあまり詳しくないのでどの機種がいいのかさっぱりだ。



「どれ?」



優弥が私の後ろから覆いかぶさるように肩に顎を乗せ両手に持つ携帯を眺めてきた。



「こっちは容量が~」



丁寧に説明してくれているのだけれども、肩に乗った優弥の顔が近くて気になって仕方がない。


いい香り。シャンプー何使ってるんだろ?


そんなことを考えていると



「お前聞いてんの?」



少し怒った声でグイッと肩をつかまれ優弥の方に向くことになった。




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