欠片になった彼と、彼女の記憶
「え?!聞いてるよ!」
慌てて答えるも
「じゃあ俺が言ってた通り説明してみろよ」
「こっちは容量があれで…」
「で?」
優弥が続きは?という風な目でニヤリとして笑っている。
「もう!意地悪!この携帯買ってくる!」
優弥の攻めの質問に耐え切れずデザインが気に入った方の携帯を契約した。
お店から出ると優弥が購入した携帯電話を手に取り
「俺の番号とアドレス入れておくから」
と登録して返してくれた。
「優弥が色々教えてくれたから早く決まったよ!ありが…」
「あれ?優弥!」
お礼を言おうとしていたら、後ろから女の子の声がした。
振り返るとそこには小柄で、肩にかかるくらいの髪の長さでふわっと巻いている同年代だと思われる可愛らしい女の子がこちらに手を振って優弥へと駆け寄ってきた。