欠片になった彼と、彼女の記憶


「結!」



優弥が彼女に対してそう呼んだ。ユイというらしい。



「今日休みだから出かけようって言ったじゃん!」



「悪い…でも俺にも予定あるから」



「でも予定って…!」


彼女が私をチラリと視界に入れた。



「…予定って女の子?」



私は気づく。もしかして優弥の彼女とか?!本当にいたの?!沙希が言ってたこと当たってる!!


私は咄嗟に



「あ、あの!優弥ありがとう!本当!携帯なくて不便だったし、友達に教えてもらったアドレスにさっき連絡したら今から遊ぼうって言われて…。だから本当にありがとう!また学校でね!」



そう言って駅の方へと走り出した。





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