欠片になった彼と、彼女の記憶
おさまらない熱
翌朝。
ピピピ
電子音が鳴り響く。
「昨日あんなに汗かいて走って帰って来たのに、すぐお風呂入らないから!」
お母さんが私のベッドの端へ座り電子音が鳴った方へと手を伸ばす。
「38度6分!」
先程の電子音は体温計だ。
それを見ながら渋い顔をされた。
どうやら風邪を引いてしまったらしい。
今日は大学も休みなさいと言ってお母さんは部屋から出ていった。
「沙希とりっちゃんに連絡しておこう。風邪引いたから今日は休むね。今度ノート見せてほしいです。と」
♪~♪~♪
「あ、2人とも返事早い」
内容は分かったという事と早く元気になってね、ノートも取っておくとのことだった。