欠片になった彼と、彼女の記憶


ふと時計に目をやると時刻は8時。


今日は2限からの予定でいつもなら10時前に優弥が迎えに来てくれている。


「優弥にも連絡しておかなきゃ迎えに来ちゃうかな」


実は内心ホッとした。


昨日、あんな不自然な別れ方をしてしまったから。



「えーっと…今日は休むから迎えに来てくれなくていいよ、でいいかな?うん。送信」



♪~♪~♪


********

何かあった?

********


返事は一言ですぐに来た。


文字を打とうとするが



「…眠い」



熱のせいもあるのか、返事を考えている途中で意識が朦朧とする。


そういえば、何で優弥はいつも迎えに来てくれるのかな、過保護なのかな、家もすぐそこだし一緒に行かないと不自然?でももう大学生なんだし一人でもちゃんと行けるのに


そんなことを考えながら眠りについた。








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