欠片になった彼と、彼女の記憶



そう言ってパタンと扉を閉め帰って行った。



「……なに!どうしよう、なにあれ!」



先程、



〝俺に彼女がいるんじゃないかって…どう思った?〟



と問われて



〝モヤモヤ…した…かな〟



と答えた自分を思い出す。


さらには抱きしめられて額ではあるがキスをされ身を任せていた事に恥ずかしくなりベッドの上でのたうち回る。



「風邪が治ったらどうやって顔を合わせればいいんだろう」



ただ、今まで一人でグルグル考えていた悩み事が先程晴れたことには変わりなかった。


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