欠片になった彼と、彼女の記憶




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「これで全部?」



ゴールデンウィークが始まり、今日から1泊2日でサークルの合宿だ。


優弥が迎えに来てくれて玄関で私の荷物も持とうとする。



「うん!あ、荷物は自分で持つから…」



「重いから」



「でも…」



すると玄関にお母さんが見送りに来た。



「夢乃ちゃん本当に大丈夫?まあ優弥君がいるなら安心だけど…何かあったらすぐに連絡してね?」



「お母さん!大丈夫だよ!集団行動も多いし、友達もいるからさ」



母はあの日の事故以来少し過保護気味になっていて、宿泊という事もありいつもより気が気ではないみたいだった。



「優弥君、夢乃をよろしくね」



「はい、じゃあ行ってきます」



「行ってきまーす!」



母に見送られながら合宿先へと向かった。




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