欠片になった彼と、彼女の記憶



「夢乃ちゃん、そういう事じゃなくて…あの…私夢乃ちゃんから黒守先輩のこと色々聞いていたじゃない?」



「?うん」



先輩のことは沙希とりっちゃんによく話していた。


高校の時の部活の先輩ですごく優しく指導してくれたから楽しくて、また一緒の学校に入ってサークルに入ってみないか声をかけてくれた事とか、入部してすごく喜んでくれた事とか。



「それですごくいい人なんだなって思ってたの。今日初めて話して、もっと素敵な人だなって思って…」



「!!」



それってりっちゃんが先輩を気になってるってことだよね?!



「そっか…りっちゃんの事応援するね!今日は私、優弥と回ってるから!」



「ふふ!ありがとう!」



友達の突然の告白に驚いたけど、うまくいくといいなと思いつつ



「じゃあ荷物おいて外に行こう!」



そう言って部屋を後にしたのだった。


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