欠片になった彼と、彼女の記憶
「……夢乃」
「あれ!今私なんて…」
なんだかとんでもなく恥ずかしいことを言ってしまった。
今の絶対気持ち悪がれた!!
だって優弥、幼なじみとキスとかありえないって顔してるもん!!
「へ…!変なこと言ってごめん!なんだろ!そんな事絶対ないのに!」
身振り手振りで慌てて弁解したが
「そうかもな…したのかも」
「したのかもって…真に受けないでよ…」
「してみる?」
「え…?」
「…こうした事、覚えてる?」
優弥がそう言って顔を近づけてきて、唇が触れそうになる。
避けようとしてもゴツゴツした彼の手が、夢乃の頬に添えられ身動きが取れなかった。