欠片になった彼と、彼女の記憶


そんな先輩を笑いながら見るとやっぱり何か考え込むように少し俯くようにして口を開いた。



「村下…答えたくなかったら答えなくてもいいんだけど」



「?はい」



「あの時…本当に風邪だったのか?」



「え?」



「ほら俺が入学式前に開いた集まり、来れなかっただろ?」



入学式後、先輩と偶然会い


〝この前うちの大学に来るっていう後輩たちと集まったんだけど、村下と茂呂はいなかったから結局違う大学の方に行ったのかと思ったよ〟


と言われたのを思い出した。


あの時は優弥が〝夢乃が風邪引いて〟って言って断ったって話してたよね。


これから優弥がいない時、昼間のように何かがフラッシュバックしてきて気分とか悪くなったら困るし…


てつ先輩になら話してもいいかな

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