欠片になった彼と、彼女の記憶



「ただ、人の名前も自分がどういう性格とか家はどこかとかちゃんと覚えているから自分では欠落した記憶はないって思ってるんです」




「俺のこともちゃんと覚えてくれてたもんな」




「はい。でも優弥は私に思い出してほしい記憶があるみたいで…


けど思い出せなくて、それで今日の公園先で何かがフラッシュバックしてきたみたいになってベンチで休んでいたんです。


もしかしたら本当に何かの記憶が消えてしまっているのかもしれません」



「村下…」



「あ、ごめんなさい!こんな暗い話して」



先輩が心配した顔で見てくる。


ちょっと話すぎちゃったかな…


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