欠片になった彼と、彼女の記憶
やさしさ
〝今も好きなんだ〟
私は先輩の突然の告白に呆然としていた。
「いきなりで驚くよな…悪い」
「いえ…そんなこと…」
先輩は伏し目がちに話し始めた。
「村下にはずっと隣に茂呂がいて、ずっと言うか迷ってた。
高校も1年先に卒業して会う機会も減ったけど、村下が同じ大学に来るかもしれないってわかった時嬉しくて本当か確認したくて集まりも開いた。
けど来ないってわかって残念だった。
入学式の日に見覚えのある後姿を見つけて、村下だとわかって嬉しかった。
…やっぱり俺は村下が好きだって。外見も中身も…全部好きなんだ。
少しでもいいから俺のこと考えてほしい。
返事は時間がかかっていいから…」