欠片になった彼と、彼女の記憶
「…はい…」
コクンとうなづくと先輩は納得したのか
「じゃ、湯冷めするといけないから早く寝て明日は帰るだけになるから荷物もまとめておけよ。
また連絡するな」
と言って去って行くのを私は目で追うしかなかった。
てつ先輩が私を好き?
夢?!
だって私には部活の先輩としてしか見てなかったし、それにりっちゃんを応援するって言ったのに…
呆然と立ち尽くしていると目の前にある曲がり角から人が現れた。
「おい。今の…何?」
「ゆ…うや!」
「立聞きの趣味はねーけど、この廊下通らないと自販機にたどり着けねーんだよ」
「ご、ごめん。ちょっと…」
「ちょっと?」
先輩に言われたことを思い出し口どもる。