欠片になった彼と、彼女の記憶
「…何告られてんの?」
優弥が少し怒ったようにして壁へと私を追い詰める。
「!全部聞いてたの?!」
「悪いかよ。なにか都合悪い?」
「悪くないけど…」
「けど?」
「…優弥には関係ないじゃん!」
声を張り上げ優弥を睨むように見上げる。
優弥はそれよりも声を鋭くして怒鳴るように私を見て
「お前は俺だけ見てればいいんだよ!何で…」
と言葉を吐き出し、
「はあ…いや何でもない。ちょっと待ってろ」
といって近くの自販機へ足を向ける。
ガコンッガコンという音とともに優弥が自販機から缶を取り出すのを待っていると元の場所へ戻ってきた。
「ほら」
とその飲み物を手渡してくれた。