欠片になった彼と、彼女の記憶
「さっきまで機嫌悪かったのに…ジュースで釣るつもり?」
手渡されたのは私が昔から好きなオレンジジュースだった。
「機嫌悪かったのは謝るけど、さっきメールで飲み物買ってくるって言ってたからそれやるよ。
ここ、男と女は反対方向の部屋だし俺も飲み物買いに来たらお前の顔も見れるしと思って来たら…
聞きたくも見たくもない真剣な話しやがって…」
やっぱり結構心配しててくれたのかな?そんな事を少し嬉しく思いつつ
「私もびっくりしたんだよ。まさか先輩が私のこと…」
「俺は気づいてたけどな。高校の時から」
「え?!そんな前から?!」
優弥が先輩の私への気持ちに気づいてたとか…
優弥がわかるくらいなのに何で私気づかなかったんだろ。