欠片になった彼と、彼女の記憶


「まーとにかく…明日から俺の家に来い。


勉強しているうちに何か思い出せるかもしれない。


お前が前も俺と一緒に勉強したって記憶があるなら」



「……」


何か思い出せるのかな。


最初は欠落した記憶はないと思っていたけれど最近は思い出せていない記憶があるかもしれないと徐々に気になっていた。



「とりあえず次の講義行くぞ」



「あ、そうだった!2人に置いて行かれた…」



「俺もダチに置いて行かれたからな。夢乃のせいで」



「優弥が教えるとか言ってくるからじゃん!」



出てくる言葉とは裏腹に、優弥に勉強を教えてもらえるとあって内心ワクワクしている自分がいた。
< 72 / 121 >

この作品をシェア

pagetop