欠片になった彼と、彼女の記憶


少し見慣れない部屋にそわそわして辺りを見渡す。


本棚の上に写真が置いてあるのに目が留まった。



「あれ…私と優弥が写ってる写真?」



「え?ああ。お前がくれたんだよ」



その写真の私と優弥は笑顔で、優弥が私の後ろから抱きしめるように頬をくっつけて写っていた。


これを…私が?なんか距離近いしほっぺくっついてるし!!



「これ、俺の宝物なんだよな」



「なんかごめん…覚えてなくて」



「いや…てか一つだけ言ってもいいか?」



「?うん、なに?」

< 75 / 121 >

この作品をシェア

pagetop