欠片になった彼と、彼女の記憶
「そうだな。
だけどその高3の時からなにがあったのかはお前が思い出さなければ意味のないことだ。
仮に思い出してお前はどうするのか、それはお前の自由だ」
「うん…わかった」
なぜ優弥がそう言うのかはわからなかったけれど、優弥は私に記憶を取り思い出してほしいという事は十分伝わっていた。
「まあ今思い出せなくても死ぬわけじゃないし、ほら勉強始めるぞ」
「うん、そうだよね…じゃあよろしくお願いします優弥先生」
「その先生って言うのやばいな…」
優弥が少し照れながらそう呟いたことには気づかないまま、私たちは前期試験の勉強へと取り掛かったのだった。