欠片になった彼と、彼女の記憶


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「ごちそうさまでした!美味しかった!」



優弥は料理も得意だったようだ。



「お前手伝うとか言って野菜の皮剥いただけだったな」



「えへへ…だって優弥の方が手際いいし」



「てか、とりあえず親に連絡とってみろよ。


何時に帰ってくるかくらいわかってた方がいいんじゃねーか?」



「そうだね、電話してみる」



鞄から携帯を取り出し、お母さんに電話をかけてみる。



「もしもし、お母さん?今どこ?うん、うん。え゛?!」



変な声を出したからか、優弥が心配そうな顔をしてこちらの様子を伺う。



「私?私はまだ優弥の家だよ。


そっか…うんわかった」







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