欠片になった彼と、彼女の記憶
電話を切ると優弥が心配そうに
「なんだって?」
と聞いてきた。
「…お父さんとお母さん一緒に出掛けてるらしいんだけど、ちょっと遠くに出たら帰りの電車が事故にあって復旧しないから今日は帰らないって…」
お父さんとお母さんは電車に乗る前だったから何事も無かったみたいだけど今日は家に入れないなぁ…
りっちゃん家とか近いし泊めてもらおうかな
そんな事を考えていると
「寝間着は俺のでいいか?」
「え?」
「え?ってお前帰れないんだろ?」
「そうだけど、友達に連絡して泊めさせてもらったりあとは漫喫とかでなんとかするしいいよ!」
「今から出かけて彷徨うって言うのかよ。
雨降ってるのに勘弁してくれ」