欠片になった彼と、彼女の記憶
「どうやってって…ありがとうくらいしか」
「俺が一緒に寝てあげたことも感謝してほしーんだけどな」
「!!!!ちょっと!!!!」
優弥はあの雷の日、結局同じベッドで寝たことを言っているようだった。
「「えーなになに?!ついに?!」」
沙希と律がニヤニヤした顔でこちらを見る。
「違う!そういうのじゃない!2人とも!」
慌てて弁解しようとするが
「じゃ、俺次の講義あるから」
「ちょっと優弥!誤解されたじゃん!」
「いいじゃん。俺たちの仲なんだし」
優弥はそう笑って手を振り去って行ってしまった。
「も~!!!!」
赤くなった顔が冷めない。
ドキドキのお泊りから数日、明日から夏休みが始まろうとしていた。