欠片になった彼と、彼女の記憶
水族館も見終わり、そろそろ帰宅しようという事になった。
「今日はありがとうございました」
先輩に笑顔を見せつつ頭を下げる。
「俺の方こそありがとう。
楽しんでもらえてたら嬉しいけど、無理ばっかさせてたな」
「そんなことないです。
私が色々思い出して迷惑かけちゃってすみませんでした」
「いいよ。そんなことより…
返事聞かせてくれるかな?」
先輩と遊んでもやっぱり〝先輩〟という見方から変わることはなかった。