欠片になった彼と、彼女の記憶
「ごめんなさい…私先輩のこと好きなんですけど、でも先輩以上には見れなくて。
遊んだら何か変わるかなとか考えたりしたんですけど…
やっぱりそういう対象には見れないんです」
罪悪感でいっぱいで先輩の顔を見ながら言えなかった。
「そんな顔するなって!」
先輩が気遣ってか明るい声で喋り始めた。
「本当は分かってたんだ。
村下は俺になんか振り向いてくれないって。
村下は茂呂じゃないとダメなんだと思う」
「そんなこと…!」
「そうなんだよ。
俺は村下が笑ってる顔が好きなんだ。
でも、その好きな笑顔は茂呂じゃないと引き出せないんだ」