欠片になった彼と、彼女の記憶


先輩は少し寂しそうにそう呟いた。


優弥と笑ってる時の私が好き…か。


その笑顔は優弥にしか引き出せないんだ…。


どんな顔してるか分からないけど、優弥にならどんな顔も出来る自分がいる。


怒ったり、泣いたり、ドキドキして赤くなったり。


「急に告白とかして悪かったな。

ただ、村下をずっと好きで今俺にとってはチャンスだった」



「チャンス?」



「ああ。君が記憶を無くしてくれていたこと。

これは俺にとってチャンスだったんだ。

もしかしたら俺のこと好きになってくれるかもしれない。

付き合えるかもしれないって…

まあ、安易な考えだったけどな!」

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