先生をそれでも……
「……」

ただいまも言わずにその場を凝視した。

「あら?帰ってたの?」

隣には昨日と違う男。
仲良く食事……?

「そこにあなたのご飯置いておいたから、部屋で食べるのよ?」

無言で部屋に入る。

耳を澄ませばお母さんの聞いたこともない甘い声。

聞きたくもなかった。

これが……ずっと、ずっと続いた。
そう、今も。

自分の居場所なんてどこにもなくて、優しかったあの母の面影はどこへ……。

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