☲ミラーが笑った◎
気になる女の子
カーブミラーの立っている十字路から東の坂道を上がりきって少し南に入ったところに、ひろみが毎日通っている南小学校がある。
きょうもまた、校舎のスピーカーから、授業の終わりを告げるチャイムがいつものように鳴りわたった。
校門から出たひろみは、そのまま車道に出て、ミラーのある十字路に向かって駆け出した。
はあはあ言いながらミラーの下に立ったとき、ミラーボーが聞いた。
「もう、授業は終わりかい?」
「うん、今日の授業、すっごく長く感じた」
「勉強がつまらないのか?」
「うん、つまらない。でも、おもしろい科目もあるよ」
「へー、何がおもしろいんだ?」
「うーんとね。図画とか、工作とか。何か作っているときが一番楽しいよ」
「ふん、将来のエンジニアだな」
「ぼくのパパ、エンジニアなんだ」
「ふーん。ひろみのパパがか?優のパパもエンジニアって言っていたっけ」
「優ってだれ?」
「ああ、優か。いつもひろみより早くこの横断歩道を渡って来て、そこのバス停に行く子だ」
きょうもまた、校舎のスピーカーから、授業の終わりを告げるチャイムがいつものように鳴りわたった。
校門から出たひろみは、そのまま車道に出て、ミラーのある十字路に向かって駆け出した。
はあはあ言いながらミラーの下に立ったとき、ミラーボーが聞いた。
「もう、授業は終わりかい?」
「うん、今日の授業、すっごく長く感じた」
「勉強がつまらないのか?」
「うん、つまらない。でも、おもしろい科目もあるよ」
「へー、何がおもしろいんだ?」
「うーんとね。図画とか、工作とか。何か作っているときが一番楽しいよ」
「ふん、将来のエンジニアだな」
「ぼくのパパ、エンジニアなんだ」
「ふーん。ひろみのパパがか?優のパパもエンジニアって言っていたっけ」
「優ってだれ?」
「ああ、優か。いつもひろみより早くこの横断歩道を渡って来て、そこのバス停に行く子だ」