☲ミラーが笑った◎
「もういいから、座ってノートを開きなさい」
「はい・・・」
ひろみはノートを開くと、先生が板書した数式をノートに書き出した。
休み時間になり、机の上の消しゴムのかすを拾っているところに、廊下側の席にいた綾香が立ち上がって、ひろみの方に歩み寄った。
「ねえ、ひろみくん」
「はあ・・」
「あたしね、今朝十字路の角でひろみくんの姿を見たの」
「えっ・・・」
「あたし、今朝ママに車で送ってもらったの。そしたら下の十字路の角にひろみくんがいたから、ひろみくーんって呼んだんだけど。聞こえなかった?」
「えっ、聞こえなかったよ」
「たぶんそうだと思ったんだけど・・・」
「知らなかった・・」
「ひろみくん、誰かと話していなかった?」
「いっ、いや、話していない」
ひろみは、どぎまぎして答えた。
「そう?誰かがカーブミラーのうしろかどこかにいて、何か話しているように見えたの
」
「いっ、いや、誰とも話してなんかいないよ・・」
「そう・・・・」
綾香はまだ納得のいかない顔をして、自分の席に戻った。
「はい・・・」
ひろみはノートを開くと、先生が板書した数式をノートに書き出した。
休み時間になり、机の上の消しゴムのかすを拾っているところに、廊下側の席にいた綾香が立ち上がって、ひろみの方に歩み寄った。
「ねえ、ひろみくん」
「はあ・・」
「あたしね、今朝十字路の角でひろみくんの姿を見たの」
「えっ・・・」
「あたし、今朝ママに車で送ってもらったの。そしたら下の十字路の角にひろみくんがいたから、ひろみくーんって呼んだんだけど。聞こえなかった?」
「えっ、聞こえなかったよ」
「たぶんそうだと思ったんだけど・・・」
「知らなかった・・」
「ひろみくん、誰かと話していなかった?」
「いっ、いや、話していない」
ひろみは、どぎまぎして答えた。
「そう?誰かがカーブミラーのうしろかどこかにいて、何か話しているように見えたの
」
「いっ、いや、誰とも話してなんかいないよ・・」
「そう・・・・」
綾香はまだ納得のいかない顔をして、自分の席に戻った。