☲ミラーが笑った◎
「わからないか、ひろみ。それはろう梅の花びらだ」
「ろう梅?」
ひろみはろう梅と聞いてもピンとこなかった。
「匂いをかいでごらん。いい匂いがするだろう?」
「うん、する。でも、これ、どうしたらいいの?」
「ああ、本のしおりにしてって、優が言っていたな」
「本の間にはさんでおけばいいんだね」
「ああ、そうすれば次にどこから読んだらいいか、すぐに分かるな」
「わかった。ミラーボー、優がきたら、ありがとうって言っておいてね」
「ああ、言っとくよ」
「きっとだよ。じゃあ、またね」
「ああ、またな。遅刻しないようにな」
「うん」
ひろみはスクールバッグを肩にかけ、右手にそのしおりをつかんで、にこにこしながら東の坂を上って行った。
「ろう梅?」
ひろみはろう梅と聞いてもピンとこなかった。
「匂いをかいでごらん。いい匂いがするだろう?」
「うん、する。でも、これ、どうしたらいいの?」
「ああ、本のしおりにしてって、優が言っていたな」
「本の間にはさんでおけばいいんだね」
「ああ、そうすれば次にどこから読んだらいいか、すぐに分かるな」
「わかった。ミラーボー、優がきたら、ありがとうって言っておいてね」
「ああ、言っとくよ」
「きっとだよ。じゃあ、またね」
「ああ、またな。遅刻しないようにな」
「うん」
ひろみはスクールバッグを肩にかけ、右手にそのしおりをつかんで、にこにこしながら東の坂を上って行った。