☲ミラーが笑った◎
学級閉鎖
暦の上ではもう春だというのに、また冷たい風が吹き、せっかく大きくなりかけた梅のつぼみが、再び堅いガクの中に閉じこもってしまった。
どんよりとした空から、時折細かい雪が舞い降りてくる。
終了のチャイムが鳴ると同時に、ひろみはスクールバッグを片手でつかみ、校門を走って出て行った。
「ひろみー」
クラスメイトの一人が、ひろみの後姿を見て大声で呼んだ。
「ひろみー。待ってよー!」
ひろみはどんどん坂を駆け下りて行く。
「あいつ、いつも先に帰っちゃうんだ」
「つきあい悪いよ。あいつ」
そんな声がうしろから聞こえてきたが、ひろみは少しも気にしないで、一目散に坂を駆け下りて行った。
十字路に人影は無い。
ひろみがミラーボーに聞いた。
「ミラーボー、優は帰って来た?」
「いいや。黄色いスクールバスは通ったが、誰も降りなかったな」
「ふーん。朝も来なかったんだろう?」
「ああ、黄色いバスは来たが、優は来なかったな」
どんよりとした空から、時折細かい雪が舞い降りてくる。
終了のチャイムが鳴ると同時に、ひろみはスクールバッグを片手でつかみ、校門を走って出て行った。
「ひろみー」
クラスメイトの一人が、ひろみの後姿を見て大声で呼んだ。
「ひろみー。待ってよー!」
ひろみはどんどん坂を駆け下りて行く。
「あいつ、いつも先に帰っちゃうんだ」
「つきあい悪いよ。あいつ」
そんな声がうしろから聞こえてきたが、ひろみは少しも気にしないで、一目散に坂を駆け下りて行った。
十字路に人影は無い。
ひろみがミラーボーに聞いた。
「ミラーボー、優は帰って来た?」
「いいや。黄色いスクールバスは通ったが、誰も降りなかったな」
「ふーん。朝も来なかったんだろう?」
「ああ、黄色いバスは来たが、優は来なかったな」