☲ミラーが笑った◎
(へえー、こんなところにカーブミラーが・・)
普段、あまり車の通らない車道なのだが、道が西から東に向かって真っ直ぐに延びているため、車はスピードを出したままこの十字路を突っ切って行く。
子供や年寄りにとってはたしかに危険なところである。
そこに大きなカーブミラーが立てられた。
しかし、よく見ると、このミラーの格好はちょっと変わっていた。
鏡は大きくて丸い普通の鏡だけれど、その下に二本の足が付いている。
その大きなカーブミラーをひろみは下から見上げた。
坂道を登って行く車道と、その上に青い空が映っている。
「おい、子供」
突然、頭の上から声が聞こえた。ひろみはびっくりして、ちょっと後ずさりをした。
「おい、子供」
また、同じ声がした。
「ぼくは、ひろみっていうんだ。こども、こどもっていうな」
「あはははは、そうか。ひろみっていうのか。じゃあ、これからひろみって呼ぼう」
どこからその声が聞こえてくるのだろう。
ひろみは不思議に思って、空を見上げた。誰かが傍にいるわけでもない。
「ここだ、ここだ。ひろみ」
普段、あまり車の通らない車道なのだが、道が西から東に向かって真っ直ぐに延びているため、車はスピードを出したままこの十字路を突っ切って行く。
子供や年寄りにとってはたしかに危険なところである。
そこに大きなカーブミラーが立てられた。
しかし、よく見ると、このミラーの格好はちょっと変わっていた。
鏡は大きくて丸い普通の鏡だけれど、その下に二本の足が付いている。
その大きなカーブミラーをひろみは下から見上げた。
坂道を登って行く車道と、その上に青い空が映っている。
「おい、子供」
突然、頭の上から声が聞こえた。ひろみはびっくりして、ちょっと後ずさりをした。
「おい、子供」
また、同じ声がした。
「ぼくは、ひろみっていうんだ。こども、こどもっていうな」
「あはははは、そうか。ひろみっていうのか。じゃあ、これからひろみって呼ぼう」
どこからその声が聞こえてくるのだろう。
ひろみは不思議に思って、空を見上げた。誰かが傍にいるわけでもない。
「ここだ、ここだ。ひろみ」