鈍感天使と甘々悪魔【完】






【森下side .*・ 】



フェンスに寄りかかっている川村を見る


髪の毛が風になびかれて凄く綺麗に見えた







「川村」


気付くと名前を口に出していた




「んー?」





川村はこちらを見てニコニコしている



「あの……さ………」




今しか…今しか言う時は無い




「俺、川村が好き」




言えた…………







「へ?」


思いがけない声が川村の口から出てくる





「遊園地に行った時から好き

いや、1年前のあの時から好きだったのかもしれない」



気付かせてくれたのは美麗だった


俺ってバカだなぁ


気付くの遅すぎだよな









「う………そ…………」





川村は目を大きく開いている





「本当だよw」




ほんの少しその顔に笑ってしまう





「もし良かったら付き合ってください」




胸がこれまでに無いくらいにドキドキする








「こちら……こ………………………





ごめん、ちょっと考えさせてくれる?」





“こちらこそ”と言いかけたが複雑な顔をして
考えたいと言う答えを出した








「おう、もちろん!」





「ありがとう」





顔を隠すように下を向く川村が
たまらなく愛しく思える







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