ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


学校に私がいるのは当たり前のことで、鉢合わせになることなんて予想出来たはずじゃない。

先輩の言動の矛盾さに苛立ちを覚える。


「先輩…いいんですよ?はっきりと言ってくれて」

『え?』

「美緒さん。可愛らしい人でしたね。凄くお似合いでした。私…やっぱりーー」

『ちょっ、ちょっと待てよ!何を勘違いしてる?』


先輩は焦った様子で言葉を遮ると、弱々しい声で続けた。


『美緒には別れてくれってちゃんと話してるんだ。だけど、嫌だって聞かなくて…最後に学園祭に連れてってくれたら考えてもいいって言うから一緒に行ったんだけど』

「けど?」

『…あれから会えてないんだ』


言いづらそうに言う先輩に、不信感が募る。


本当に会えてないの?
そもそも本当に別れ話をしてるのだろうか。

学園祭の様子を見る限り、別れ話最中の二人には到底見えなかった。


並木さんが、先輩はオアシス・カフェに彼女と来たことがあるって話もそうだけど。

一度芽生えた不信感は、そう簡単に消えてはくれない。
それが例え好きな人でも。


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