ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
走ってきた平井さんは、私の前で足を止める。
そして「突然ごめんなさい」とペコッと頭を下げた彼女に、私もつられて頭を下げた。
「並木さんのことなんですけど」
平井さんの口から並木さんの名前が出た途端、思わずビクッと身体が強張る。
そんな私に気付いた平井さんが、ふわっと穏やかな笑みを浮かべた。
「もしかして、並木さんのこと?」
「っっ!」
カァッと赤くなる頬。
うゔ…恥ずかしい。
なんで一瞬でバレてるんだろ…
私ってそんなにわかりやすい?
こんなんでよく先輩とのことが瀬奈にバレなかったよなって思う。
「うんうん、そっかそっか」
何故か一人で納得して頷いてる平井さんに首を傾げる。
「並木さん、口悪過ぎて最初はビックリしますよね」
「そうですね。正直、仕事中とプライベートのギャップには驚きました」
平井さんは「ですよね!私も私も」と、周りが明るくなるような可愛らしい笑顔を私に向けた。