ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


さっきから心臓が慌ただしく音を立てている。

これが美緒さんと会う緊張からなのか、並木さんがいるからなのかわからないけど、緊張で落ち着かない。

平井さんが持ってきてくれた水を無意味に一口口に含んでは窓の外を見るの繰り返し。


待ち合わせの7時まであと数分。
この数分が途轍もなく長く感じる。

異常に喉が渇くのは、緊張のせいだろうか。

何度目かの水を口に含み外に目をやると、路地の方から歩いてくる女性の姿を見つけた。


美緒さん、だ。


ドクンッと心臓がこれまでにないぐらい激しく震えた。


どうしよう、どうしよう、どうしよう…‼︎

一旦自分を落ち着かせる為に、残りの水を一気に飲み干してもう一度窓に目を向けた。


「っっ!」


途端、窓に映った並木さんに気付き息を飲んだ。

さっきまで何度も窓を見ていたのに、なんで気付かなかったのか不思議なくらい。

窓に映る並木さんは、カウンター内でカップを布で拭いながら私の方を見つめていた。



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